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今さら聞けない。これからの子育てにSTEAM教育が必要と言われるが、なぜ?何をすれば良い?

STEAM教育とは?

こんにちは、今日も教育熱心kurokoです。

最近よく耳にする「STEAM教育」。結構注目されています。
ちょっと前までは、STEM教育と言われていたのですが、ご存知でしょうか?

書籍や、ネットニュースにも取り上げられているので、ご存知と思いますが、
私たち親世代がそのような教育を受けて来なかったので、どのように子供の教育に活かしたら良いかもわかりません。。

私は、ITコンサルタントという仕事柄、プログラミングや、AIなどに関わっているため、肌感覚としてはよくわかっているつもりでしたが、
STEAM教育って、理科や物理、化学に加えてプログラミングやコンピューターサイエンスを小さい頃からちゃんと学ぼうね。ということかと思っていました。

それも間違っていないのですが、でも実は、本当に大切な事はちょっと違ったのです。
そして、それを知って、かなり納得!
今の仕事をしている中でも、自身の成長、部下の教育のために大切だと思っている事と綺麗に一致しました。

 

この記事では、という問いに答え、親として子供の教育を考える指針まで書いていきたいと思います。

  • STEAM教育って、そもそも何か?
  • なぜ今、STEAM教育が注目されるようになったのか?
  • よくある誤解、STEAM教育は理系の各教科に注力しようではない!
  • 親としてSTEAM教育をどう取り入れたら良いのか?

なお、合わせて以下の記事も読んでいただけば、参考になると思います!
>>>子供にとって、これからの時代に必要となる能力は何か

>>>小学校入学までに学習しておいた方が良い教科は国語と英語だけ?なるほど!その理由は?

 

まずは結論:STEAM教育は理系の教科を頑張るではない!

STEAM教育は、理系の各教科が大切になるから、小さい頃から重点的に勉強していこう!
そういうメッセージだと思っていました。

でも、結構違ったんです。

結論から話します。

STEAM教育の本質は、教科を横断的に活用して、実社会にある問題を定義し、実際に体験して失敗し、パッションを持ってやり遂げる事。なんです。

ちょっと長いでしょうか?

ここでの驚きポイントですが、

  • 数学や物理などそれぞれの理系の教科を単体で勉強するということではない
  • 実社会にある問題を取り扱っている
  • 「問題を解く」ことだけでなく、「問題を定義」することに力点を置いている
  • 「体験」し「失敗」も許容、失敗からの分析を重視している
  • 「情熱」や「パッション」を重視している

これが、STEAM教育の本質だったのです。
(文献やサイトにも解釈は多少差があり、諸説あり。ではあります。)

個人的には、おお、そういうこと!
と感じたとともに、いや、そうそう。そういう人材がこれから必要だ。と妙に納得してしまいました。

 

そもそもSTEAM教育とは何のこと?

この章では、少しSTEAM教育とは。という基本情報と、歴史的な事に触れます。
もう、だいたいわかっている!という方には退屈でしょうから、飛ばしちゃってください。

初心者

まず、少し前に言われていたSTEM教育とは以下の略です。

  • Sience
  • Technology
  • Engineering
  • Mathematics

これらの頭文字をとってSTEMと言われていました。

STEAM教育は、ここに「ART」の「A」を加えて、「STEAM」という言葉になっています。

kurokoはこの「ART」が追加されたことが、革命的に重要だと考えていますが、それは後述します。

MEMO

ちなみにSTEMのSは科学、Mは数学でわかりやすいのですが、TechnologyとEngineeringって違いがわかりにくいですよね。。
鳴門教育大学学術研究:STEM教育とSTEAM教育:歴史、定義、学問分野統合(サイト)では以下のように解説されています。

Technology:技術とは,人間の必要や欲求を満たすためになされる自然世界の 何らかの改良である。

Engineering:工学とは,人間の必要や 欲求に合致するように,対象,過程,システムをデザインするための系統的で,しばしば繰り返し的な取り組み である

ただし、この違いは曖昧で、TechnologyにEngineeringが含まれるという意見もあるとのこと。。

要は、あまり細かい事は気にしないという事でしょうか。。
ちなみに個人的には、仕事柄両方の言葉を使っていますが、Engineeringは具体的なシステムやロボットとった物理的なもの含め開発する方をエンジニア、Technologyはより包括的な意味で使っています。つまりEngineeringはTechnologyの一部として扱っている感じです。

ちょっと参考1:STEAM教育の歴史

「STEM教育」自体は、アメリカで始まりました。

 

1990年代
STEMという概念の発生

すでに1990年代には、アメリカの国立科学財団から、STEMという教育方針が打ち出されていました。
(ただし、当時はSMETという順番だったみたいです)

 

その後、2000年代に入り、加速度的に認知が広がっていきます。

2006年
ブッシュ大統領による政府としての施策化

2006年に、ブッシュ大統領がSTEM教科10の指針という形で発表し、政府としての人材育成の強化策を打ち出します。

アメリカがこれほど早く提示した背景があると言われています。

  • 国の将来的な競争力低下への懸念
  • STEMといった能力を持つ職種の適任者不足
  • 総合的なSTEMカリキュラムの不足と教える側の教師の不足

15年ほど前の話です。先見の明があったというか、もうその頃から問題はわかっていたというか、、
何れにしても、日本よりだいぶ早いですね。。

2008年〜2016年
オバマ大統領による具体的な実行

2008年に、ブッシュの後に当選したオバマ大統領も、当選時の一般教書演説でSTEM教育を優先課題に位置付けています。

実際にオバマ大統領がやった事としては

  • 年間30億ドル(日本円で3300億円)を投資
  • STEM分野の教師を10万人養成
  • 高校卒業までにSTEM分野の教育経験を持つ学生の50%増加
  • 大学で100万人のSTEM経験者を卒業
  • 大学卒業後もSTEM専門分野や応用研究を学べる訓練制度を作成

 

このように見ると、日本がいかに遅れているかがわかります。

そして、なぜこんなにもアメリカから、イノベーティブなサービスや商品が出て来始めているのかもわかります。
子供達の教育への施策が、10年、20年以上も差がついているのです。

子供達のライバルとなるのは、もはや世界中の人たちです。
政府がやってくれないなら、親として、少しでも考慮した教育をしていきましょう。

とはいえ、2020年からようやく、日本の学校教育もプログラミングを取り入れるなど変わってきましたね。

 

ちょっと参考2:STEAM教育の各国での取り組み状況

STEM教育がアメリカで発祥し、拡大していったこと。
日本の教育がかなり遅れている事はわかりました。

気になるのは、他の国ではどうなんでしょうか?ちょっと調べてみました。

カナダのSTEM取り組み

  • 2011年、シーモア・シューリッヒという方が、シューリッヒ・リーダー・スカラーシップを設立し、20の大学のSTEM学科入学者への支援を実施
  • 2015年にカナダ・スカウト連盟のSTEMプログラムを開始
MEMO

カナダといえば、有名なのが、AI躍進させた国です。

最近のAIが飛躍的に発展した経緯知っていますか?
カナダのトロント大学のジェフリー・ヒントンという教授が2012年の「ImageNetチャレンジ」(画像認識チャレンジ)で過去10年以上僅差のスコアだったものを、大幅に躍進させたのです。

オーストラリアのSTEM取り組み

  • 2009年にはシドニーの高校生を対象とする発展学習プログラムであるiSTEM(Invigorating STEM)が設立
    –>このプログラムは大成功を収め、多くの賛助を集めたそうです。
  • 生徒や教師をUS Space Academy Programに派遣する発展学習プログラムを実施
  • ソニー教育財団では、オーストラリアの理科教員団体(ASTA: Australia Science Teachers Association)と共同で、理科教員が双方を訪問して授業を行う相互交流を実施
  • ASTAは、オーストラリアの教師や将来のイノベーター、エンジニア、科学者、専門家のために可能な限り最良の教育やトレーニング、道具を提供

イギリスのSTEM取り組み

  • 2014年に、世界に先立ってプログラミング学習の必須化を実現

インドのSTEM取り組み

  • 2015年から6歳~18歳の子どもたちを対象にした科学技術を学べるプロジェクト「Rashtriya Avishkar Abhiyan」がスタート

インドは優秀な人材は早くからアメリカで教育を受ける風習もあります。
アメリカで学び、本国に持ち帰るというルートもできていますね。

シンガポールのSTEM取り組み

  • 小学1年から数学、小学3年からサイエンスを実施
  • 中学以降でSTEM教育を実施
MEMO

シンガポールでは予算のおよそ18%が教育関連セクターに当てられています。

ちなみに、日本の教育関連予算の割合は全体の6%。

香港のSTEM取り組み

  • 2015年11月、香港教育局はPromotion of STEM Educationと題する文書を発刊し、STEM教育を推進していくための方針と施策を提示

ベトナムのSTEM取り組み

  • 2012年私学STEM教育を開始
  • 2015年科学技術省STEM day設定

トルコのSTEM取り組み

  • FeTeMMというSTEM教育の質の工場に取り組む大学と教育者の連合を立ち上げ

カタールのSTEM取り組み

  • カタール大学センター・フォー・アドバンスト・マテリアルズのアウトリーチ・プログラムとして、STEMを中心とするカリキュラムの高校に通う生徒を対象にAL-Bairaqを実施
  • 毎年40校から1000人弱の生徒がAL-Bairaqコンテストに参加
  • AL-Bairaqは課題解決型学習を採用しており、出題する研究課題は本格的なもので、生徒同士でチームを組み、課題解決に当たる教育プログラム

 

ちょっと長くなりましたが、調べた範囲でも、これだけの情報が出てきます。
日本はどうなんでしょう?もちろん日本での取り組みもあります。

ちょっと参考3:STEAM教育の日本での歴史

国も一応動いています。

  • 2016年に2020年度から小中学校でのプログラミング授業の必修化を開始

遅いですね。。2016年にというのも遅いですが、それから4年後。。。

ただし、民間は結構早くに動いています。
すでに17年以上の歴史があります。

  • 2002年、埼玉大学にSTEM教育研究センターが設置
  • 2003年、「クレファス」というロボットプログラミング教室が開校
  • 2009年、「ヒューマンアカデミー ロボットプログラミング教室」が開校
  • 2015年、ソニー・グローバルエデュケーションと学研がSTEM教育サービスを共同開始
  • 2017年、日本STEAM教育学会が設立
  • 2020年、小学校の学習指導要領改訂
  • 2021年、中学校の学習指導要領改訂

2002年には大学で研究センターが開設されていたにも関わらず、どちらかというとベンチャー的な会社が習い事の一環として、プログラミング教室を開設していったような流れになっています。

>>小学3年生以上にオススメ!プログラミングトイ6選
>>幼児から通えるロボットプログラミング教室5つと教室ごとの違い

 

 

なぜSTEAM教育が注目されているのか?

なぜ?

近年、10年後、20年後の世界がどうなるかというのは色々語られてきました。
その中で、子供の未来についても悲観的な話や、楽観的な話など色々あります。

その中で共通している話としては、

  • AIにより、今ある職業は減少する。
  • しかし、新しく必要となる職業が出てくる。
  • そこに求められる能力は、今まで必要とされてきた能力とは異なる

 

これらを踏まえて、この後の記事は、以下の4つに分けて考えていきます。

「今までの世の中に求められてきた能力は何だったのか」

「それを実現するために子供の教育は何を重視されていたか」

「これからの世の中にはどのような能力が必要になるのか」

「それを実現するために子供の教育は何を重視すべきなのか」

 

今までの世の中に求められていた能力とは何か?

企業は、均質で品質の良い製品やサービスを、大規模に早く提供することが大切でした。
それを実現する人材が最も企業にとって大切でした。

これらを実現するために必要な人材はどのような能力だったかというと、

  • 作業をなるべくミスなくできる人材
  • 時間やルールを守る規律正しく動ける人材
  • 真面目に長く働く人材
  • 細かく指示しなくとも動けるように、同じような感覚を持つ人材

日本がかつてなぜ1位になれたかわかるような気がしますね。。

企業が勝つために子供の教育は何を重視されていたか?

日本の学校教育は、上記の能力を育成するために、圧倒的に最適化されていたと言えます。
残念ながら、まだ、そこを目標に最適化されてしまっていると思います。

  • 知識詰め込み型教育
  • 偏差値による能力の可視化
  • 部活動などによる規律の刷り込み
  • 学校社会でコミュニティを通しての教育

 

でも、時代は変わりました。
上記の企業に求められる能力は、そのほとんどがAIとロボットの方が優れているからです。。

これからの世の中に求められる能力は何か?

それでは、今後求められる能力はどのようなものでしょうか?
まだ、明確な定義には至っていませんが、少なくとも以下は間違いないと言えると思います。。

  • 新たなサービスや商品を考え出すクリエイティビティ
  • 人々のより良い体験を作ったり、課題を特定して解決する能力
  • AIやロボットを操れる能力

このように子供がなれるために今必要な教育は何か?

これがSTEAM教育が出てきた理由でがここにあります。

  • STEMといった、理系教科の基本的な知識
  • ARTといった、今までの世の中に無い新たな発明ができる、新たな課題を定義できる能力
  • STEAMの知識を組み合わせて横断的に解決策を模索検討できる能力
  • 失敗してもへこたれず、失敗から分析し、再度挑戦する情熱とパッション

 

STEM教育にARTが追加された理由

ここで、STEM教育にARTが追加された理由をメモしておきたいと思います。

その前にそもそも、ARTって何なのかの定義も必要かと思います。

ARTを日本語に翻訳すると、芸術や美術と訳せると思いますが、私はこの翻訳は少しだけミスリーディングだと思っています。

「ART」は、現状存在しない価値を創り出す行為です。

アーティストというのは、何か美しいものを作る人ではなく、今までの世の中に無いものの見方を提示したり、新たな価値を示したりする方のことです。

発明家はまさにアーティストです。

それ以外に、法律や経済などの文系分野にもアーティストはいらっしゃいます。

ARTの語義は、日本語でいう「芸術・美術」よりもはるかに広く、教養という意味も含まれますし、武道や格闘技は「martial arts」と表現します。療法は「healing arts」、家政は「household arts」となります。

この点を踏まえて、教育にSTEAMという考え方を見てみるとまた見方が変わってくるのでは無いでしょうか?
絵画教室に通わせよう!という事にはならないという事です。(絵画教室が悪いとはいってません。念のため。)

 

親としてSTEAM教育にどのように対応したら良いのか?

トリセツ

今まで見てきたようにSTEAM教育は日本ではかなり遅れています。
一方、海外では、非常に進んでいます。

この状況において、親としては、子供の未来を考えて、学校では教えてくれないSTEAM教育の機会を作ってあげることが大切だと思います。

それでは親としてできる事は何でしょうか?

  • まずはSTEAM教育を知る事、理解する事
  • 子供がSTEAM教育に興味をもつ機会を作ってあげる事

 

STEAM教育を知ろう、理解しよう!

あまり難しく考えなくとも良いと思います。
ここまで読んでいただいたあなたはすでにSTEAM教育がなんたるかをある程度理解できていると思います。

もしさらに興味があれば参考本を読んでみるのも良いかと思います。

お子さんと一緒に絵がふんだんに入っている大型本も出ています。

 

STEAMとはちょっとずれますが、未来の職業という意味では、こちらは参考になります。

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子供にSTEAM教育の機会を作ってあげよう!

この機会を作るというのは、なかなか難しいのですが、二つほどあります。

方法1.ロボット教室、プログラミング教室に通わせる

実はロボット教室、プログラミング教室といってもいろんな教室があります。
そして、意外と有名どころは今まで名前も聞いたことがないようなところ。。
通信教材なら進研ゼミや学研、塾なら、栄光ゼミナールや日能研。みたいな感じでブランドが認知されていますが、ロボット教室はまた別の会社が大手になっています。

その中でも三つほど紹介します。

まずはオーソドックスなロボットプロブラミングを学ばせたい方

そんなあなたにはヒューマンアカデミーがオススメ(業界シェアNo1、月謝は9,500円)
>>>公式ホームページ

ロボット教室を通して、理系のスキルやプログラミングをしっかりと覚えさせたい方

そんなあなたにはアーテックエジソン アカデミーがオススメ(カリキュラム品質No1、月謝は10,000円程度)
>>>公式ホームページ

ロボット教室を通して、プログラミングそのものよりも、クリエイティビティや自分で考える力、企画力などをつけたい方

そんなあなたにはリタリコワンダーがオススメ(人気No1、月謝は15,000円)
>>>公式ホームページ

 

もっと詳しく吟味したい!という方は、こちらの記事を参照ください。
>>幼児から通えるロボットプログラミング教室5つと教室ごとの違い

 

方法2.ロボットプログラミング教材を購入してみる

ロボット教室に通うには、結構金額も高くてちょっと。。という方には、
ロボット教材を買ってあげるという方法もあります。

私のオススメNo1は、レゴが提供するロボットプログラミング教材です。
この教材は、実は上記で説明したリタリコワンダーでも使われています!

買い切りで、結構アプリやウェブも充実しているので、オススメです。

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ロボットプログラミング教材をもっと知りたい!という方は以下の記事も参考にしてみてください。
レゴ以外の教材もあります。

>>>小学3年生以上にオススメ!プログラミングトイ6選 小学校の学習指導要領改訂に備えよう!
>>>幼児から使える!大手ロボット教室でも採用されているレゴWeDo2.0でロボットプログラミング!

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!
お子さんの教育につながれば幸いです!

参考文献:この記事では、以下のサイトと本を参考にさせていただきました。

鳴門教育大学学術研究:STEM教育とSTEAM教育:歴史、定義、学問分野統合(サイト

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