こんにちは。教育熱心がモットーのkurokoです。
最近仕事関連で読んだ本が、現在の教育の問題や、近未来の教育についても記載されていたので、そのポイントを抜き出して考えてみたいと思います。
その本とは、「2030年 すべてが加速する時代に備えよ」
という本で、2030年に世界がテクノロジーによってどのように変わっていくかを予測するような本です。
(2024/12/14 04:00:22時点 Amazon調べ-詳細)
特に最近では、AIが今ある職業を奪う。と言った悲観的な未来予測がたくさん出てきていますが、
本内容全般的には、明るい未来が書かれていますし、
わかりにくいテクノロジーの仕組みなどに留まるのではなく、とっても読みやすく、事例なども出ており、いわゆる文系の方でも理解しやすい形になっているのでおすすめです。
この本の作者は、アメリカ人のピーター・ディアマンデスとスティーブン・コトラーという方です。
ディアマンデス氏は寿命関連のスタートアップ企業運営(なんと22個目のスタートアップとのこと。。)をしながらシンギュラリティ大学などの団体のリードも兼務しています。
コトラー氏はジャーナリストとして活躍しながら、加速的に変化する中での心理学の研究とトレーニングを中心とする団体を創設もしています。
日本ではそれほど有名ではない二人ですが、GAFAをはじめとするネット企業がどのように加速的に成長していったのかなどはアメリカでは研究され尽くしており、そういった研究から今後テクノロジーがどのように発展するのかという話が展開されています。
この本の章の一つに教育の未来を語ったものがあります。
また、ビジネス全般、買い物、エンタメ、広告、食糧、金融、医療、寿命と言った幅広い範囲で一体どうなるのかということを根拠と事例をもとに説明されているので、子供の将来を考える際にも、子供にどんな未来が来るかもしれないと話す上でもとても参考になる本だと感じました。
このブログでは、この本で教育がどのように変わっていくのかと語られているのかとその考察、
および、社会全体がどんな風になっているかを俯瞰して、子供にどんな風に伝えると良さそうかという考えを書いてみたいと思います。
2030年教育はどうなっているのか
この本の第8章に教育の未来が描かれています。
現状の教育の問題点
まず描かれているのは、現状の教育の問題点として、世界が変わっていく中では既存の教育プログラムでは不足するよねという話です。
現在の教育プログラム(小学校から大学に至るまで)は、軍隊、ないし工場などでの効率的な生産を実現するために必要な人材の育成だと主張されています。
考えてみれば、その通りで、小学校での朝礼や行進、部活動での年功序列的な考え方はまさにその通りです。
さらに、テストでは「間違わない事」にフォーカスされており、新しいサービスを思い付かせるような学習になっているとはとても言い難いと言えます。
一方で、新しいサービスを考え出すような教育は、全員に同じような問題を解かせるよりは、自分なりに問題を発見し、それについて深く考えるようなアプローチが必要です。
それを見てあげる教師の数が不足します。
ちなみに現状でも世界全体で考えればまともな教育を受けられない子供も多く、世界全体で考えれば教師の量が不足しています。加えて、テクノロジーで変わっていく世界に追いつくような教育をできる教師の質も問題となってきている。という二つの問題が発生しています。
その問題に対する解の一つがアンドロイド教師だと主張されています。
現状のデジタルテクノロジーを使うだけでも教育は飛躍的に変わる
アンドロイド教師と言われても、まだまだかなり先の話のように感じますが、筆者はアフリカの面白い事例を紹介されています。
アメリカのMITメディアラボ創設者のネグロポンテ氏が実施した実験で、
エチオピアの子供達に、本、映画といったコンテンツや、教育アプリとゲームアプリを搭載したデバイスを渡してみた後の展開でお届くべきことが起きてたという研究結果です。
結果はこうです。
文字の読み書きもできない、もちろんデバイスも触ったことのない子供達に上記デバイスを渡しました。
- 4分後には、箱を開け、電源スイッチを見つけ電源を入れることができた。
- 5日後には、1日あたり47個のアプリを使うようになっていた。
- 2週間後には、ABCの歌をみんなで歌うようになっていた。
- 5ヶ月後には、なんとアンドロイドのOSをハッキングしていた。
5ヶ月後の話は、ハッキングのレベルがありますが、
という話ではありますが、私も子供にiPadを渡して使わせた感じで言うと、どんどん使いこなしていくと言うのは実感があります。
本書では、団体責任者(CTO)のエド・マクネリーの言葉を引用しています。
子供たちはデスクトップを完全にカスタマイズしていました。
だから一人ひとりのタブレットの見た目はまるで違っていました。
あらかじめ、それをさせないためのソフトウェアを仕込んでおいたにもかかわらず、それをうまくすり抜けたと言う事実は、子供たちが学習に不可欠なクリエイティビティ、探究心、学習能力を持っていることを明確に示しています
この結果を踏まえて、様々なPJが走っており、さらなるトライ&エラーが実施されていると本書では続いています。(続きは本書を参照ください)
既存に存在するタブレットを活用するだけで、これだけの学習効果があるのですから、この上に搭載されるアプリがさらに進化していくにつれて、学習効果の指数関数的な伸びは計り知れません。
アンドロイド教師というのは、突拍子もないことのように捉えられますが、今後着実に現実化されていくのは疑いようはないかなと感じます。
2030年の教育はどうなっているのか?
2030年の教育はどのようになっているのでしょうか?
本書では2030年の教育においてVRが大きな威力を発揮していると語られています。
例えばエジプトのピラミッドについて学習する際、現在では教科書中心ですが、2030年にはVRで社会科見学することが普通になっている。
実際に訪れるにはかなりのハードルがありますし、みられる範囲も限定的です、そして興味のない子供にとっては退屈極まりないです。
ですが、VRで作られたコンテンツにアクセスするのはとても気楽で、実際に踏み込めない領域にも簡単に飛んでいくことができます。
さらにコンテンツはたくさんの数が用意されるので、興味ある部分を中心に勉強していくのが普通になるでしょう。
今でも実は多少それに近いことが実現できます。
我が家では、社会の受験勉強などをする際に、例えば漁業とか、例えば鉄を作る工程などは、Youtubeで検索してみると良いという話をしています。
人はイメージでみると記憶の定着率が非常に高くなると言われており、実際に効果てきめんです。
最近はテレビにスティックYoutubeを見れるようにしてから、大画面で家族で一緒に見ることができるので、勉強しようと渡したスマホでアニメのYoutubeを見まくっていたなんてことも防げるかなと思います。
アマゾンのFire StickはテレビのUSB端子に挿すだけで、音声でYoutubeの検索ができるのでとても便利です!
本書では、VRはコンテンツを見せるだけにとどまらず、コミュニケーションも行えるようになると続きます。
その後は一人の講師が30人に教えるのではなく、デジタル上で大量の子供に教えることができるようになりますし、さらにはARを活用すると現実世界に様々な情報を投影して教育するという未来まで語られます。
このようなVRでの未来の片鱗はすでに出てきていると思います。
例えばリクルートが提供するスタディサプリのアプリは、有名講師の講義を動画配信するサービスでこのブログでも以前紹介していますが、既に実現されています。
ここまでは2030年の教育の章について書いてきましたが、次はこの本で語られている全体を俯瞰していきます。
2030年すべてが加速する世界に備えよ
2030年はもう10年切っているわけですが、この本では驚くような未来が語られています。
10年前といえば、ちょうど東日本大震災が起きた時で、ついこないだのように思われる方も多いのではないでしょうか。
当時はまだTwitterやLINEは使う方も少なく、そもそもスマホよりもまだガラケーが主流。
ガラケーのゲームは出ていましたが、スマホゲームやARなどもその後一気に広がりました。
amazonで本を買ったことはあったとしても楽天やZOZOなどのECで日常に購入する人はまだかなり少数派。詐欺じゃないかと恐れられていました。
Youtubeはありましたが海賊版を見るか、あまり面白くないコンテンツが載っているものだと思われていました。
AIRB&Bやネットフリックスも日本になかったし、ドローンや自動運転という話もほぼありませんでした。
AIの大きなブレイクスルーがあったのが2012年。
ビットコインは2008年からありましたが全く認知されていませんでした。
これらの変化で生活も変わってきましたし、何より職業も大きく変わってきています。
ビジネスでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれ、プログラミングの技術やAIなどの知識がある人は職に全く困らない一方で、ついていけない方はお荷物と思われるし、仕事を探すのに苦労します。
子供たちへの教育はこのような状況を踏まえて考えていくべきだと思います。
この本によれは、進化は加速しており、2030年は前の10年よりも驚くほど早く変わっていくとのこと。
さて、どんな世界になるのでしょうか?
未来を予測し難い理由
この本では2030年を語りますが、人は未来を予測することが難しいという話から始まっています。
本書で詳しく語られていますが、私の理解では、進化は正比例して起こっているのではなく、指数関数的に起こっていることが大きな原因の一つです。
つまり1年経ったら1進み、10年経ったら10進むのではなく、
1年経ったら1進み、2年経ったら2進む。ここまでは一緒ですが、3年経ったら4進む(2 x 2)、4年経ったら8進む。
10年後には、516になります。
(本書ではエクスポネンシャルと表現されています)
そうするともはや予想がつかないことになると。
考えてみると、amazonもgoogleもGAFAと言われる企業はそのように進歩しています。
ムーアの法則というのが文章の中にも出てきますが、半導体の進歩はまさにそれを実際に実現しています。
注目すべきテクノロジー
そして、過去10年はインターネットとスマホ中心の発展でしたが、今後はさらに注目すべきテクノロジーが5つあり、これらが単独ではなく、複合的に(コンバージェンスと表現されています)発展していくことで、加速的に発展するとされています。
ここでは、テクノロジーの中身には触れませんが、どんなものが紹介されているか記載しておきます。
- VR(仮想現実)・AR(拡張現実)
- 3Dプリンティング
- ブロックチェーン
- ナノテクノロジー
- バイオテクノロジー
- ゲノムテクノロジー
なお、娘は小学校低学年からリタリコワンダーに通わせています。
そこでは、最初レゴを使ったロボットプログラミングやゲームなどのプログラミングを学んできましたが、
最近では、3DのCADソフトを使って、3Dプリンターで出力するということまでやっています。
上記のテクノロジーを直感的に学ぶ方法としてこのようなお稽古に通わせるのも良いと思います。
娘と息子が通ったリタリコワンダーの記事はこちらから。
子供向けロボットプログラミング教室で有名なリタリコワンダーに2年通ってわかったこと(口コミ、意義)
業界別にどんな未来がやってくるのか?
それではどんな風に世の中が変わるのでしょうか?
詳しくは本書をですが、業界別に触りをご紹介したいと思います。
買い物は自動化とパーソナライズが大きく進む
店舗から店員がいなくなるとはよく言われている話ですが、買う側は欲しいと思ったら自動運転車が商品を探し自動で店舗に連れて行ってくれる、あるいは、自動で商品が届きます。
自分のサイズや買ったもの、趣向などのデータは蓄積され、広告ではなく最適なレコメンドがされるようになります。
3Dプリンターなどをはじめとするテクノロジーの進歩により、既製服のようなものから個人のサイズに合わせたテーラーメイドが低価格で実現できるようになり、大量消費から少量多品種生産がより進みます。
広告は意味合いが変わるか消滅するかもしれない
広告は一時的にはディープフェイクや個人データの扱いなどで問題になっていく可能性が示唆されている。
一方で、広大なバーチャル空間上での商品購入やエンタメなどが発達すると同時に新たな広告スペースもたくさん生まれる。
さらには、「ジャービス」という例が出てくるか、個人向けのアドバイスをしてくれるAIが用意され、個人の趣向を加味した商品が出たらおすすめしてくれ、ゲノムのレベルまで把握して買うべきものと買わない方が良いもののレコメンドをしてくれる。
さらにその先には、商品を選び買うという行動すら不要になる世界が来るかもしれないと語られる。
私たちが「ほしい」と思う事を高い確率で予測し、思う前に用意してくれているという。。
一抹の不安も残るが、テクノロジーの進歩的にはそのような世界がやってくる可能性もあるという事。
エンターテインメントはさらに面白くたくさん!
ネットフリックスのような会社はさらに投資をして次々と素晴らしいコンテンツを作り出していく。
Youtubeなどのユーザー投稿型もコンテンツのクオリティが上がり、スーパークリエイターがどんどん生まれてくる。
さらにその先にはAIクリエイターの可能性もあると語られている。
既にホラー映画など、人が怖いと思うような演出はAIの実験されている。クリエイティブは難しいという話もあるが今後AIの活用がどんどんできるようになるという可能性があると感じる。
また表現の領域も、VRやホログラムなども現実的になるだろうと予測する。
さらにARの巨大市場、コンタクトレンズのようなデバイスで実社会に虚像も投影できるようになる。
さらにその先には、脳と直接連携させたデバイスの登場までもが既に多数実験されている事を踏まえて遠くない未来に実現されると予想されている。
個人的には随分前からVRやARが言われているものの、なかなか進歩せず、これにはコンテンツ制作するのとデバイスが行き渡るのと鶏と卵の問題がなかなか解決できないでいる状態であると考えているが、どこかでブレイクスルーが来る可能性は高い。
医療はAIで診断をはじめとして、大きな進化が訪れる
既にウェアラブル端末はたくさん出ており、AIが医者に変わって健康状態をモニタリングして、不調の原因を教えてくれるようになる。
また、遺伝子レベルでの治療や外科手術のロボット化も進んでいく。
ナノテクノロジーで細胞レベルに入れる小さなお医者さんも登場する。
3Dプリンティングで不調になった内臓や四肢なども再生できるようになる。
薬の開発などもAIを使う事で加速度的に新薬が登場するようになる。
さらに本書では、寿命の克服がなされる可能性も示唆される。
「寿命脱出速度」なる考え方が紹介されているが、毎年のように寿命は伸びているが、
寿命が伸びるのが1年を超えた時(1年研究すれば2年分の寿命を延ばすことができるようになった時)、理屈上では死なないことになる。
そんな日がやってくるのも夢ではないと語られている。
なお、寿命に関連するテクノロジーは、2020年のベストセラーにもなっている「LIFE SPAN」が網羅的に語られています。
(2024/12/14 23:19:06時点 Amazon調べ-詳細)
金融・保険・不動産は概念が変わるほど大きな変化が訪れる
保険はそれ自体がなくなる可能性がある。少なくとも今の前提上にはあり得ない。
近年はデータがたくさん取れることで保険業は変化してきたが、自動運転により自動車保険の考え方は大きく変わり、医学の進歩により医療・生命保険も根底から変わる。
金融は、ブロックチェーンやクラウド投資、キャッシュレス経済など規制で守られてきたトラディショナルな企業がテクノロジーによる刷新についていけるか、スタートアップなどにディスラプトされる可能性も大きく、侮れない。
不動産は買い方などもそうだが、自動運転や水上都市など移動しながら暮らすという考えかなど、新しい住まいや場所という考えが提唱される。
食の未来も過激!
料理をロボットが作ってくれる。というところまでは予測可能な未来だと思う。
しかし、肉や野菜が人工的に、3Dプリンターなどで作られると言われるとそれを本当に食べたいと思うか疑わしく考えてしまう。
しかし、本書では、味としても栄養としても遜色のない食品が作られる未来が語られている。
考えてみれば、繊維ではそれが100年前に起こった。
蚕から作られる絹は石油から作られる繊維にとって変わられた。
同じことが食品で起きてもおかしくない。
まとめ
いかがでしょう?
2030年で語られる未来は、突拍子もないSFではなく、要素技術としては揃っているものを組み合わせ(コンバージェンス)させるとやってくるであろう未来という事で、とてもエキサイティングでありながらリアリティも持ち合わせておりとても魅力的です。
そして、ぜひ子供に話していくのが良いと思います。
こういった話を通して、子供が自分の将来を考える手掛かりになった方がいいと思いますし、
親としても理解しておきたい話だと思います。
(2024/12/14 04:00:22時点 Amazon調べ-詳細)
親として子供への教育で、できること
親として子供に対してできることは、まずこのような世界になることを子供達に見せてあげることだと思います。
どのような世界になるのかを想像させるような事を話してあげる。見せてあげることが大切だと思います。
とはいえ、親としてもどうなるのかよくはわかりません。。
そこで、我が家でやっているのは、そういう環境にアクセスさせる事。
その一つにロボット教室に通わせるという方法があります。実際に私の子供たちにも通わせてみた結果とってもよかったです。
興味ある方は、こちらの記事も参照してみてください。
小学生の習い事の注目度第1位のロボットプログラミング教室 -やるべきか。どこの教室に通うのがベターか。
今回の記事はここまでです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
【人気記事】
おすすめ!! ロボットプログラミング教室の違いがわからない。わかりやすく違いを解説。選ぶ際に見るポイントも!
おすすめ!! いろいろ比較検討した結果、小学1年〜2年は進研ゼミの一択だった理由