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私たち親が子供の頃とはまるで違う! これからの時代に必要となる能力は何か

みらいの子供に必要な能力は何か

プロフィールに書いたように、私は15年あまり、大手コンサルティングファームにて数十社もの企業のコンサルティングを中心に従事してきました。

そこで体験した事

  • テクノロジーによるダイナミックなパラダイムシフト
  • 年々加速する進歩、そこに追いつけない人材
  • 新陳代謝できない組織

結果的に企業はイノベーティブな変革ができない状況を目の当たりにしてきました。
コンサルティング部隊を率いる立場として、企業をコンサルティングする立場として、未来の日本に大きな危機意識を感じています

一方で、2児の父として、幼児から教育、学校教育というものにも多少関わり、30年前と全く変わっていない、変わろうという危機感もない教育現場に疑問も感じました。

そもそも、教育の難しさは、親が子供を教育する際には、自分が子供の頃どうだったのか。
を考えて教育していると思います。
一方で、子供の教育は、大人になる20年、30年先を見通して実施されるものであるべきです。

ですが、正直、20年〜30年先を見通す事は容易ではありません。
さらに、親が30年前の常識、記憶に捉われていると、
結果60年もの格差が出てしまいます。

いままでの教育で育成することの危険性

特に、現代のように大きくパラダイムがシフトしている中、企業も人も大きく変わろうとしている、ないし、どのように変わるべきかと考えている最中、最も重要な将来をつくる子供の教育が、このままで良いはずがありません。

「いままでの世の中」と「これからの世の中」が大きく変化する現状で、この変化を踏まえた教育をせずにいままでの教育で育成してしまうと、これからの世の中に適応できず、非常に困難な状況に直面することになると考えています
これは本編で詳述します。

親として、過去と未来についての正しい情報を保持して教育に当たる事が大切だと考えています。

 

POINT
  • 自分の常識・経験で子供を教育していては、60年もの格差ができてしまう。
  • 昔ならそれほど大きく変わらなかったが、テクノロジーの進化のスピードが早く、めまぐるしく時代が変わっている現代では、いままでの教育で子供を育成する事は致命的。
  • 今、何が起こっているのかを正しく理解し、子供にどのような教育をすべきかを親として自分の頭で考えて答えをだそう。

前置きが長くなりましたが、本題に入りたいと思います。

今までの世の中

これまでの世の中、企業は、大量生産、大量消費を前提とし、また、永久に伸びる需要を前提として、いかに効率的に生産をしていくかという点にフォーカスしてきました。

そこでの日本の成長は目を見張るものがありました。
1980年には、Japan as No1 と言われるほどに成長を謳歌していました。
ご存知の通りの高度経済成長とそれに続くバブルです。

どうして成長してこれたのか?

非常に単純化して説明します。

大きな要因は2つあります。

  • 一つめは、人口増加し、需要も合わせて増加していた点
  • 二つめは、着実にテクノロジーを進歩させた点
    ただし、パラダイムシフトほどの大きな変革は人生に比してゆっくりであった

一点目:人口増加とそれに伴う需要の増加

日本では人口が増加していました。
その状況においては、基本的には、自動的に需要も増加します。
その需要に合わせるように供給を追いつかせるかが重要だったのです。

どんどん伸びる需要をさらに早く生産するための技術もノウハウも波及的に成長しました。

また、同時に技術も進歩していきました。
需要が一巡したら製品のスペックを向上させて、さらに需要を喚起させる事で、需要を増加し、それに合わせて供給を行うという勝ちパターンが出来上がっていました。
ただし、ここでの向上は、生活やモノの使い方、サービス内容を変革させるようなパラダイムシフトは必要ありませんでした。
需要が自動的に増加し、スペックをあげるだけで、企業は売上と利益を増加させる事ができたのです。

これは市場全体のパイが大きくなっていたためです。

この環境下において日本は大成功を収めました。本当に素晴らしいとしか言いようのない成功であったと思います。

二点目:着実な技術の進歩、ただし変化は緩やか

技術やテクノロジーは、この時代も目まぐるしく進化していました。
前述の通り、人口増加により需要も伸びていましたが、需要が一巡する供給を行った次にはすぐに新たな技術にUpdateされた機器を投下してさらに需要を喚起するというサイクルを回したのです。
それは、当時としては、歴史的にないほど早く回せる状態にまで持っていきました。

ただし、前述した通り、需要、全体のパイが広がっている中においては、既存の機器やサービスの延長線上を進んでいくという進化をしていました。
その方が簡単ですし、十分に需要を喚起できたからです。

車に例えていえば、ベースの車に対して、冷房やパワーウィンドウといった機能を追加していけばよかった。
スマホアプリを使って、車を作らずに移動サービスを提供できるUberのサービスを始めようということはあまりなかったのです。

このため、技術の進歩は既存の技術の上に構築されていきます。
既存の技術をまず知り、そして新しい技術を付け足していくといった形です。
この形では、年長の過去からやってきた技術者に対して、若い技術者が超えるという事は起きにくいです。

いきなり新しい技術とサービスが出てきて、今までの技術よりも全く新しくそれらを置き換えるというのは、パラダイムシフトに当たります。

もちろん時々そういう事も起きました。
例えば、コンピューターが出てきたりはしました。

しかしそれらは、数年という短期間で浸透するといったことはなく、数十年かけて浸透するようなスピードでした。
よって、一人の人生の途中で大きな変化に対応する必要はなく、新たな世代がそれを学び、古い世代は今までの技術を使い、ゆっくりと世代をまたいで変化するという形で進歩する事で対応できました。

人生のスピードに比して、非常にゆっくりなパラダイムシフトであったのです。
いわずもがな、今の時代はそんなにゆっくりしていません。

POINT
  • 人口の増加に伴い、需要が増加している状態においては、供給を適切に実行する事が大切
  • 同時に、需要が一巡した製品に対して、延長線上的なUpdateを行い続け、新たな需要を喚起させた。
  • ただし、大きなパラダイムシフトは、人生の長さに対してゆっくりと進んだ。

いままで必要とされた能力

そこで必要とされる能力は、計画通りにタスクを遂行する事が何よりも大切です。

また、大きな組織を誰もが同じ方向を向いて、効率よく、真面目に、マニュアル通りに推進する事が求められました。

軍隊教育が進んでいた日本は、高度成長期においても驚異的な復興と成長を見せたのです。
日本はここで大成功を収めます。

そこで必要とされる能力は、以下の二つです。

  • 勤勉性
  • 正確性

また、悪く言えば、
クリエイティビティは計画通りの遂行に邪魔になるので求められず、出る杭は打たれました

皆、協力して同じタスクを同じように進める事が重要であったため、多様性、ダイバーシティは極端に排除され、横で「皆同じ」という安心感が大切という価値観となりました。

皆、会社の歯車になる事が誇りとなっていました。

人生において何を成し遂げるべきか?という事を考えるよりも、一生安泰となるようにどう最初に勝負するか。という事が重要視されました。

学校教育に求められた事もここからきています。

学力は、国数英社理の不得意分野をとにかく克服するように進められ、得意教科のみをとにかく伸ばすという発想はありません。
テストは、間違わない事が大切。間違わないように緻密に見直すことが大切です。
皆同じ制服をきて、規律を守ることが最も大切だと見なされました。
部活動では、上下関係を学び、服従する事をマナーとして叩き込まれます。
学歴社会、偏差値重視、学閥が社会に残り、外から入って来ることに対して極度に排他的な傾向をみせました。

なお、誤解なきように補足しておくと、日本はこの時代の求められる事に、完璧に対応、適応できていました
日本以外に、国民全員がこれほどまでに適応できた国はなかったと思います。
その理由が、社会に求められる人材を効率よく育成できる学校の仕組みを構築した事にありました。

だからこそ、Japan as No1と言われるまでに成長できたのです。
不思議なのは、なぜ、今それができないのでしょうか?

 

POINT
  • 需要が増加し計画通りの供給が求められる時代に大切なのは、勤勉性と正確性であり、オリジナリティやクリエイティビティはほとんど求められなかった。
  • これを受けて学校教育も最適化された。教科型、均一化、従順な服従型が求められた。

これからの世の中

いままでの世の中とそこで求められた人材像について述べてきました。
ここからは、現時点で変化していることと未来にフォーカスしてきます。

まずは、これからの世の中がどうなっていくのか。

変化は着実に起きています。

考慮すべき論点は三つです。

  • 人口は増えず、今までのように単純には需要は伸びない
  • テクノロジーの進歩は加速的に早まっており、引き続き続く
  • AIの登場により、勤勉で正確性だけが求められる仕事は機械がやってくれる

これらが同時並行的に進むために、今発生している事の説明がつきます。

人口減少においては量から質が求められる

日本では、人口が減少し、需要がどんどん伸びる時代ではなくなってきた事はあきらかです。
今までのように、機器やサービスの延長線上ではビジネスの成長はありません
価格を低下させて競合と差別化させる事は、人口や需要が増えていれば、正しい戦略ですが、パイが減少している中では、成長できず早期に難しい局面がきます。

よって、量を求めることから、質を上げる戦略に変換させていく必要があります
製品やサービスについて付加価値をつけていき、差別化する。より高単価で提供できるようにする事が大切です。
また、質を上げるという事は、いままで最大公約数的に実施してきたサービスをいろんなニーズに適合させるという事でもあります。特にインターネットにより情報取得が容易になった現代では、趣向の多様化も進み、様々な「好き」が存在します。おのずとサービスもそれに特化したニッチなものが出てくる事になります。

そういったサービスや製品がどういうものなのかを考える力が必要になってきます。

これからのテクノロジーの進歩はパラダイムシフトを引き起こす

人口は減少しますが、寿命はどんどん伸びています。
また、テクノロジーの進歩は、加速度的に早くなり、大きな技術革新が頻繁に起こるようになります。
また、企業においては、上述の通り、量から質への差別化の力が大きく働きます。
これらの要因で、結果的に今までと全く違った視点でのサービスやビジネスモデルを多数生み出す事になります

ここから何が起こるかというと、
人の一生の中で、価値観が大きく変わるようなパラダイムシフトが何度かやってくる事になります
このパラダイムシフトは、これまでのように積み上げた技術力の延長線上にはなく、それまでの技術やスキル、経験といったものを意味なくしてしまう可能性が高いです。

このような事が起こると、今まで経験してきたものが、意味のないものになってしまいます。
前述のように、いままでの世の中では、これを世代交代で実現していました。
これからは、一人の一生のなかで世代交代と同じことを実施する必要があります。
これは極めてチャレンジングで難しい問題です
実は、この問題は、今の子供だけではなく、今の20代〜40代も直面する事になるはずです

この変化に如何に適用できるかという事が、生き残るためには非常に重要となります。

AIの進化も人間が必要とする能力を変化させる

そしてもう一つの潮流として、今まで求められていた勤勉性や正確性は、AIに取って代わられようとしています。
AIは、いままで我々がやってきた、そして学校教育で中心的に教育される「真面目に正確に計画通り作業を遂行する事」が得意です。
そのAIが驚異的なスピードで成長しています。

人がこのスキルにおいて、AIと戦おうとする事は無駄でしょう。

しかし、悲観する事は全くありません
繰り返しますが、人口は減少していきます。その結果、働き手は少なくなります。
もちろん需要も減少しますので、その分働き手も少なくても済むはずですが、サービスレベルは維持したい。
AIの力は、この減少しゆく働き手を補完してくれる事に大きく繋がります
働き手を補完してくれ、我々が消費者として享受するサービスレベルはAIがない状態よりも非常に高いレベルで受ける事ができます。

問題なのは、この変化を予想できずに、従来型の教育で子供を育成してしまう事です
ここを変化させないと、せっかくの教育は意味のないものになってしまうでしょう。

少し話はそれますが、
上記よりも、さらに深い日本の問題は、現役世代をどのようにシフトしていくかです。
これは、一筋縄ではいきません。シフトできない人たちも残るでしょう。

これから、この新しい時代のルールに適応した若い人たちがリードしていく時代になるはずです。
シフトできない中高年者は、彼らにリードしてもらい、従来型の仕事をしていくしかありません。
しかし、AIの成長により、そういった仕事もどんどん減って行く事になります。
これは現在の高齢化社会に次いで、スキル陳腐化問題といった(そういう名前になるかは知りませんが)大きな社会問題になるはずです。

なお、今の教育を続けて行くと、上記のような新しい時代のルールに適応していない大人になってしまうリスクがあります
そうならないように、新しい時代に求められる能力が何なのかを認識し、常にUpdateし続けておく事が大切です。

それではおさらいです。

POINT
  • 人口減少による需要減少により、量から質の向上を企業は目指し、一方でテクノロジーは加速的に進歩し、企業のサービスの質の向上の変革を力強く後押しする。
  • この結果、パラダイムシフトが短期間(人の一生よりも短くなるのがポイント)で発生する事により、その変化への適応能力が人間に求められる。
  • AIの進歩は日本の人口減少においてはサービスレベルの維持にプラスに働くが、同時に人間に求められる能力も変化する。

 

このような中で人に求められる能力は何であるのか。次に語ります。

今後必要となる能力

これからの世の中で記載した通り、世の中はどんどん変わります。
この新しい世の中で求められる能力は控えめに言ってもいままでと180度異なるでしょう。

まず、「これからの世の中」を踏まえた時に新たに人に求められる役割はどういった事でしょうか。
例示的に示してみたいと思います。

計画通りに大量のモノを作るのではなく、新しい価値あるモノ・サービスを作る事が求められます
特に人間が楽しく、気持ちいいと感じるようなモノ・サービスはどういった物なのか、
これらを考え、定義する役割は人間にしかできないでしょう。

UX(ユーザーエクスペリエンス)やCX(カスタマーエクスペリエンス)を設計する事も求められるでしょう
これらは、AIにサポートしてもらう事ができても、本質的にできない事です。

ネットとセンサーによるビックデータの収集と統計学と深層学習による予測とブロックチェーンによる日中央集権的なロジック処理によって、驚くほどいろんなものが自動化され、AIにて処理される事になると思います
シンギュラリティといった議論はありますが、それでもなお、AIを管理する能力は人間にしかできないでしょう。

合わせて、多様化する「好き」に応えられるようなモノ・サービスを考える事も役割の一つになると思います。

これらを実現して行くためには、
従来の好きでもない仕事に従事し、厳しい環境に身をおいて、勤勉に働くのではなく、
・クリエイティブな環境に身をおいて、
・自由な発想で、
・多様な人とコラボレーションして、
・AIを使いこなし、
・なるべく自分の好きなテーマを扱うものを仕事にして、
・没頭して質の高いサービスを考えられる事
が大切になっていくと考えられます。

 

以上を踏まえ、現時点で考えられている必要となる能力を定義してみたいと思います。

  • 従来の技術のUpdateではなく、新たな考え方、ものの見方、価値観の定義をする力
  • 勤勉性ではなく、多様な「好き」にあったサービスを実現する熱い情熱とやる気
  • 緻密な計画を立てられる能力ではなく、常にUpdateし柔軟に成長して行く力
  • 安定を求める性格ではなく、常に変化を楽しむ心
  • 国数英理社といった教科の知識ではなく、AIを操れる教科横断的な知恵(STEAMS)
    *STEAMS=Sience, Technology, Engineering, Art, Mathematics, Sports を横断的に扱えるようにする教育
  • 如何に他の人と同じかを気にするのではなく、如何に人と違う個性があり、それをアピールする力
  • 金融資産は資産のOne of Themに過ぎず、無形資産(人的資産、活力、希少価値のある知識)と言ったものの保持
  • 好きな事 を如何に保持しているか

 

これらを、今の学校教育、学校教育に準ずる塾でさえ、求める事ができるでしょうか

願わくば、日本のすばらしい学校の仕組みを適切に変えていってほしいです。
しかし、学校の改革はいろいろとやっているように見えますが、社会の変化と比較してあまりにも遅い。
まだまだ、改革の必要性の意見もそろいません。

典型的な成功のジレンマに陥っていると思います。
特に日本は過去の成功が大きかったが故に、変革するのに大きなエネルギーが必要になります。

しかし、もはや待っている時間はありません。
学校も塾もやってくれないのであれば、親として手を打っておくべきだと考えています。

 

長い文章をここまで読んでいただきありがとうございました。
少しでも共感いただけるようであれば、ありがたいです。
また、違った意見などあれば是非いただければと思います。この考えも常にUpdateしていく必要がありますし、多様な世の中において正解があるわけでもないので、いろいろな考えを吸収したいと考えています。

このサイトでは、上記を踏まえ、親として最適にできるモノやサービスの紹介。
教育に関するコラムを提供していきたいと考えています。

 

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